吉村昭 その6

昨日、TVのチャンネルを変えて、途中からBSプレミアム「英雄たちの選択」を見ました。 録画はしていませんでしたが、NHKのHPを見ると、明治日本を襲った試練 〜伊藤博文とロシア皇太子襲撃事件〜とありました。

HPの記事には、明治24年(1891年)、訪日したロシア皇太子が襲撃される! 大国ロシアからの報復を避けるため伊藤博文(当時:元老)はギリギリの選択を迫られた。 明治日本を襲った外交危機、その思わぬ結末とは?とあります。

ロシア帝国皇太子・ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフ (後の皇帝ニコライ2世)が、滋賀県滋賀郡大津町(現大津市)で警備にあたっていた警察官・津田三蔵に突然斬りつけられ負傷した暗殺未遂事件(=大津事件)のその後の対応をめぐる(=政府と司法:大審院院長児島惟謙が対立する)放送内容でした。

いつも思うのですが、「英雄たちの選択」、司会の磯田道史、中野信子(心理学者)、山口真由(弁護士)などゲストの方々それぞれの一家言もすごくて感歎させられます。

この放送を見て真っ先に浮かぶのは、もちろん吉村昭の『ニコライ遭難』です。 小説冒頭は、長崎港での巡洋艦「高雄」(ニコライ親王他の接伴係に任命された海軍少将伊東祐亨が乗船)の描写から始まります。 どの著作でもそうですが、様々な資料を調べての克明な筆致です。 小説後半は「英雄たちの選択」に重なる部分が多いです。

ブログを記すにあたって、「ニコライ遭難」をざーっと斜め読みしました。 文中にほんの少しだけ蘭方医松本良順、医師高木兼寛の名前がでてきます。

松本良順は司馬遼太郎の『胡蝶の夢』(全4巻)に、高木兼寛は吉村昭の『白い航跡』(上下巻)に小説となっています。 またまた蛇足ですが、異国人への殺傷事件では、吉村昭の『生麦事件』(上下巻)、森鴎外の『堺事件』(短編)があります。

コメント

後藤隆広

ベースと禅
ジャズもベースも全くの素人ですが、このブログ見て、ゲイリー・ピーコックをネット検索したら彼のベースの弾き方の基本の動画がありました。ベースはただ弾けばいいものと思っていましたが、体全体で感じながら、また力は必要最小限でリラックスしながら弾くなど、どこか東洋の禅の教えに通じるところがありそうな感じがしました。
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