ビル・エヴァンス その2

ビル・エヴァンスでは、先ずアルバム『ワルツ・フォー・デビイ』をピックアップします。 ジャズを聴き始めた20代前半、最初の頃に買ったLPのなかの1枚です。
「その1」に記した江﨑文武氏もこの曲の最初の2音にノックダウンされたとか、ジャズ喫茶でもこの曲が流れると、おしゃべりが止むとも言われています。

少女?の横顔とおぼしきピントを外したようなシルエットのLPジャケットは、よくジャズ喫茶に飾られているのを見かけます。 私も2階のオーディオルームの壁面にいくつかの気に入ったLPを並べて飾ろうと思っています。

「ワルツ・フォー・デビイ」は、エヴァンスが当時まだ2歳で幼かったビルの姪デビイに捧げたものです。 またビル・エヴァンス・トリオのベーシスト、スコット・ラファロが、このライブ録音から11日後に交通事故で他界しました。 25歳でした。
ジャケットのこと、ラファロの死、これはよくジャズファンの間で話題にあがります。

ポール・モチアンの控え目なドラム、ラファロとエヴァンスのインタープレイ(優れたプレイヤーたちが共演し、互いに触発し合いながら、素晴らしいインプロビゼーション(アドリブ)・ソロを生み出すこと)はジャズ史に残る名演です。 ラファロの事故死がなければ多くのインタープレイが生まれていたことでしょうに、残念でなりません。

インタープレイと言えば、ジム・ホール(ギター)&ビル・エヴァンスのデュオ『アンダーカレント』も名盤のひとつです。 ロングドレスの女性が水面を漂っているのを川の流れの下から撮ったモノクロの写真の、このLPジャケットも飾りたい1枚です。

Eテレの番組では、マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』へのエヴァンスの参加(マイルスのバンドから脱退後に特別に招いた)も紹介されていました。 マイルス・デイヴィスのなかでは聴きやすいアルバムのひとつです。 これも名盤です。

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