開高健

リビングルームの窓の前、軒下に洗濯物を干すステンレスの長い竿を下げています。 たまにシジュウカラの番い(つがい)がやってきてとまります。 外側から中の人間の姿は見えにくいのでしょうか? 怖がることなく跳んではとまり直し、至近距離でシジュウカラのネクタイが見られます。 可愛いですね。

前回の記事の続きを記します。 吉村昭の『魚影の群れ』に収められた短編のなかに、『海の鼠』があります。 これは描写に迫力があります。 ネズミ嫌いの方は読まないほうが良さそうです。(笑)

ウィキペディアには、「ねずみ騒動」として記載され、1949年から、宇和海の島嶼部及び海岸部で起こったネズミの大量発生に伴う農作物や海産物等への被害である。 1963年頃まで続いたとあります。 吉村昭の淡々とした文章に、記録小説、ドキュメント小説の筆使いを感じます。

いつも、しりとりゲーム、連想ゲームのようにこのブログを書いています。 「海の鼠」に結びつくのは、開高健の短編を収めた『パニック・裸の王様』です。

「パニック」の一文抜粋です。 「ササがいっせいに花をひらいて実をむすんだ。 きっちり一二〇年ぶりに起こった現象である。 とにかく因果律の歯車は正確にまわったのである。 あらゆる種類の野ネズミがササの実をめざして集まって来たのだ。」 この作品は、ネズミの大量発生にからめた人間社会の風刺小説です。

開高健は、 「書いた?書けん!」の変読みでも知られ、エッセイ集『開口一番』、『開口閉口』も名前をもじった作品でしょうか? 他にも『輝ける闇』、『夏の闇』、『オーパ!』、『ロマネ・コンティ・一九三五年』を読みました。 「オーパ!」は釣り師ならではの作品ですね。

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