開墾 その3

忍竹・篠竹(シノダケ)は2~3m先も透けて見えないほど密生します。 毎年々々新しい若竹が生え、古い竹はいずれ枯れますが、周囲の竹に囲まれ倒れることもできず残ります。 まさに「立錐の余地がない」状態です。

樹木でいえば樹冠に当たる密生したシノダケの頂上部には、カンネカズラが網の目のように蔓延り、太陽を独り占めしてさらに成長します。 カンネカズラの根(いわゆる葛根・・・かっこん)は栄養を蓄え肥大化し強力な生命力を維持します。

これが実にやっかいで、シノダケを一本々々と伐ってもカズラが絡みついていて、それを寸断しないことには竹が抜けません。 このような難儀な作業もカミさんは厭わず手伝ってくれました。 感謝です。

もうひとつやっかいなものがあります。 それは棘のあるイバラです。 これも株が太くなり繁茂していれば、革手袋で掴み枝先から少しずつ伐りとって行くしかありません。 まさに開墾はイバラの道です。

まぁいくら大変だといっても、北海道の開拓に比すれば「塵芥(ちりあくた)」のようなものです。 ここで吉村昭の『赤い人』を紹介します。 本の裏表紙には、「北海道開拓史の暗部に横たわる集治監の歴史」とあります。

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